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タイ |
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タイと聞くと真っ先に思い出すのは、この一枚の卒業写真です。当時は人生に迷っていまして(今でもその傾向はありますが)、アパートを引き払いわずかな蓄えを持って日本を出ておりました。特別どこを見たいと言うわけではなく、出会った人達の情報を天の声と聞き次に向う、人任せ足任せの旅です。
最初の渡航地、バンコクでの異文化との出会いは衝撃的なものでした。ここで知り合ったイスラエルの若者は「日本には家も仕事も無い」と嘆く私に、「なーんだ、そんなことでクヨクヨしてたの。Yoshiko、世界中があなたの家じゃない」と一言。イスラエル人の放浪の歴史を思えば、それが先祖の記憶として彼らの血肉になっているのもうなずける話で、この言葉は拒絶反応なくスッーと心に入ってきました。
その言葉で人を受け入れる心境になったのでしょうか、行く先々で民家に泊めてもらい、その人情の温かさに触れることができました。気の持ちようで周囲の反応も変わってくる、その良いお手本として今でも時々思い出す、記念すべき1990年のタイ旅行です。
チェンマイのゲストハウスで隣室だったアメリカ人のチャドは、「高校の時日本に留学してました」と言うだけあって、敬語で話しかけてくれるほど日本語が達者。ある日「僕達マッサージの学校に通うつもりですけど一緒に行きませんか」と誘ってくれました。トレッキングやメーサイ観光も終え、退屈していたところでしたのでこちらにも異論はありません。早速翌日から、宿から自転車で10分ほどの小さな学校に通い始めました。 入ってビックリ、受講生10人の内7人がイスラエル人、それも皆20歳そこそこの若者達です。聞けば彼らは兵役を終え、積立金を手にタイに大挙してやってきているのだとか。ここから露天商などのツテを頼って、日本に渡る人も多いと聞きました。原宿などでアクセサリーを売っているの、彼らかもしれませんよ。 通学を初めて数日後、いつも昼食を取っていた自然食レストランの人たちと親しくなり、ゲストハウスを引き払って彼らの宿舎に移ったこと。先生の家の新築祝いに全員が招待され、トラックの荷台でお祭り騒ぎをしながら出かけたこと。この写真を見ると、タイ旅行の総てが懐かしく脳裏に蘇ってくるのです。 |
インドのヨガ、中国の鍼灸術に、タイの伝統的治療法をミックスしたと言うタイ・マッサージ。この学校の修学期間は2週間ほどで、費用は1990年当時で2万円弱。図入りの簡単な教科書を渡され、さあ授業の始まりです。最初に先生の模範演技(施術)を見てから、生徒が2人組みになってそれを真似る、と言う方法です。会話は英語とタイ語のチャンポンですが、見ながら出来るので特別不自由は感じませんでした。
卒業試験(練習?)風景 : 足で腰を押さえ体を反らせています 足裏から始まって、背中、腕へと進み、最後にはエビ反りのような荒業も飛び出しますが、一番好きだったのは手のひらのマッサージ。これはウトウトと眠くなるほど「サバーイ!」(気持ちが良い)のです。 タイ・マッサージでは掌(てのひら)、肘(ヒジ)、膝(ヒザ)、踵(かかと)と全身を使って相手の体をほぐしていきます。指を使うときも「押す」と言うより、「筋肉や筋を親指の腹で横にはじいていく」感じなのです。その手順を言葉で説明するのは難しいので、「百聞は一見にしかず」で図を使うことにしました。
注 ; 当時の教科書が見当たらないので、図はカノクウェート・マッサージ院でいただいた資料からとりました。ここでは、私が習ったようなプロレス技もどきの施術は行われていませんでしたが、手順や体の使い方などは似てましたので大体の雰囲気はおわかりになると思います。 |
10年後の2000年にバンコクを再訪した時、あのタイ・マッサージを再び味わいたくなって、総本山とも言われるワット・ポーに足を運びました。バンコク最古、と言ってもバンコクが都に定められたのは18世紀後半のことですが、を誇るこの寺院は又、体長46mの巨大な涅槃仏があることでも知られています。
巨大なお釈迦様の寝姿 「地下鉄の電車はどこから入れたの」というギャグがありましたが、こちらも同様。「どうやって安置されたのだろう」と疑問に思うほど、柱ぎりぎりの所に窮屈そうに横たわっておられましたっけ。
タイ・マッサージ像(?) 巨大仏から本堂の横を通って裏手に向いますと、ヨガをしている修行者達の群像があります。瞑想したり、ポーズをとっている人物像の中に、何故か牛顔の行者も混じっていて不思議な雰囲気。明らかにタイ・マッサージを施していると思しきこんなカップルの姿もありましたよ。 |
さあここが、本日のお目当てのマッサージ・ハウスです。ワット・ポーのマッサージ場は外国人旅行者の間でも人気があって、何時行っても満員の盛況。午後にもなると、30分〜1時間待ちも覚悟しなければなりません。ですから、まずは受け付けでコースを指定し、順番札をもらうこと。その後で本堂を見学しても充分間に合います。
マッサージ・ハウスは細長い巨大なワンルーム。通路を挟んだ両側に、低い棚で仕切られた6畳ほどの施術場がずらりと並び、まさに壮観の一言です。黄色のTシャツを着たスタッフがキビキビと立ち働き、内部は心地の良い活気とリズムに溢れていました。
バンコク市内にはマッサージ場は数多くありますが、何しろこちらはタイ・マッサージの総本山。足を伸ばしてでも試してみる価値は充分にあります。王宮や暁の寺への観光を計画中の方、2時間ほど余裕をみて是非ワット・ポーへもお出で下さい。 |
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